国民皆年金体制の確立
それまでは一部の労働者のみが対象だった年金制度が、1961年の国民年金法の全面施行により、すべての国民が何らかの年金に加入する「国民皆年金」となりました。当時は高度経済成長の入り口にあり、現役世代が多く高齢者が少なかったため、比較的ゆとりある設計でスタートしました。
戦前の恩給制度や各種共済組合が個別に存在していた体系が、国民すべてを覆う一つの網に統合されたことは、日本の社会保障史上、最も重要な転換点の一つです。制度の財源は現役世代の保険料をベースとする賦課方式が中心で、人口の若さが支える構造でした。当時の平均寿命は男性64歳、女性70歳程度で、長期間の受給を前提としていない設計でした。